コンテンツへスキップ

BEHRINGER NEUTRON オリジナルモデルが存在しない ベリンガーが作りたかったオリジナルシンセ

シンセサイザーの発音源であるオシレーター(VCO)3340チップをベリンガーのラボが完全にリデザイン。NEUTRONはこのオシレーターを2基搭載しています。

まずはどんな音がするのか聞いてみましょう
OTAIRECORDが初心者の方にもわかりやすくNEUTRONを解説します。

シンセサイザーの仕組み

そもそもこのシンセ。世の中のデジタルシンセとどこが根っこで違うのかは、大き括って2つです。

  1. 選択肢から音色を選ぶのがデジタルシンセ vs 音源をつまみでいじって自分で音色を作るのがアナログシンセ。
  2. 音の周波数帯域の制限が20Hz-20KHzと制限があるのがデジタルシンセ vs 無いのがアナログシンセ

1により音色のコントロールが直感的になります。2によりウーファーを飛ばしてしまうほどの低域や倍音成分が高域に向かって限りなく再生可能です。が不便なところもあります。アナログ回路は温度湿度など外部環境に左右されやすく、すぐ音程が狂ったりしますのでチューナーは必須。あと2度と音が再現できないことも割と当たり前の様に起きます。

オシレーターという音源をつまみやスイッチをいじることにより、音源(VCO)そのものの波形を変え、フィルター(VCF)をかけて、音量(VCA)をコントロールします。また本来楽器音は音量も音色も時間の経過によって変化していきます。それをコントロールするADSRという調整回路もあります。

  • A=ATTACK TIME 鍵盤等を叩いて発音させて最大音量レベルにまで達する時間。
  • D=DECAY TIME 最大レベルまで行った後、サスティンの音量レベルまで落ちるのに達する時間
  • S=SUSTAIN LEVEL 鍵盤をずっと押さえている間、同じ音量を持続している時間
  • R=RELEASE TIME 鍵盤を離して、音量ゼロにまで落ちる時間

もちろん音色によっても違います。マリンバ系の音はずっと鍵盤を押さえていてもすぐ消えちゃいますし、ピアノ系もマリンバよりはSUSTAINが効きますが、いずれ消えます。オルガンやストリングス系は押さえている限りずっとSUSTAINがかかります。

NEUTRONは右側にパッチがIN32, OUTが24あります。これを使わなくてももちろん音は出せます。が、このパッチ。使えます。NEUTRONの各シンセサイザーモジュールを切り出してパッチケーブルを使って部分的に外部の別のアグレッシブな発音をするオシレーターや、NEUTRONに無い機能例えばシーケンサーに繋いだりすることが出来ます。ラックにNETRONを丸っと入れて組み合わせる動画があります。

NEUTRON

BEHRINGER NEUTRONは、想像し得る限りのモノフォニック・サウンドを、驚くほど精巧かつ簡単に生み出すことができます。ピュアなアナログ信号経路は、VCO、VCF、VCA、状態可変フィルター設計に基づき、LFOとクラシックなBucket Brigade Delay(BBD)が組み合わされています。NEUTRONは2つの3340アナログ・オシレーターを独立してまたはMIXして、パラフォニックモードではOSC1でトリガーを立てOSC2を別の鍵盤で独立して制御ができ、音色のオプションを広げることができます。また、NEUTRONは標準Eurorackにマウントすることができます。右側にあるパッチボードからケーブルを使って外部モジュラーシンセ機器に接続が可能です。シーケンサー等NEUTRONに搭載していない音や、MOOG音など他の個性あるシンセオシレーターの音をNEUTRONに付加したり、NEUTRON機能群でコントロールしたり出来ます。

MIDI over DINまたはUSBでキーボードやコンピューターを接続するだけで、すぐにアナログ音楽シンセサイザーの世界を体験することができます。

True to the Classics

クラシックサウンドに忠実に
NEUTRONは、音楽史に名を残す名機たちの回路を忠実に再現するために、細心の注意を払って設計されています。太いベース音やリード音、エフェクト、プログレッシブなオルガンサウンドなど、自由度の高いサウンドシェイピングが可能です。

VCO Double Play

VCOダブルプレイ
NEUTRONの柔軟性の高いデュアルVCOは、それぞれに5つのユニークな波形を使用して、サウンドを構築するためのオプションを提供します。オシレーター1、2のオプションは以下の通りです。Tone Mod、Square、Sawtooth、Triangular、Sineの5つの波形は、3オクターブ(32フィート、16フィート、8フィート)の広いレンジで調整可能です。

12 dB State Variable Filter and VCA

12 dB State Variable Filter とVCA
カットオフ周波数(10Hz~15kHz)、モジュレーション、エンベロープデプスを自由に設定できる柔軟性の高い12dB State Variable FilterがNEUTRONのサウンドの核です。NEUTRONのFilter Modeスイッチは、ハイパス、バンドパス、ローパスの3つの設定が可能で、幅広い音色のオプションを提供します。また、フィルターKeytrackingに対応し、演奏している音に適用するフィルター量を選択することができます。また、NEUTRONのOverdrive回路によりVCAで歪ませることも可能で、貴重な低音域を失うことなく、サウンドに非常なスパイスとエッジを加えることができます。

Making Waves

波形を作る
NEUTRONに搭載されたモジュレーターは、調整可能なTune、OSC mix、Shape、Pulse widthノブを備えており、直感的にコントロールすることが可能です。また、パラフォニックのオン/オフ、OSCシンク、オクターブレンジの選択できるスイッチがあります。3.5mmインプット・ジャックに外部周波数モジュレーション・ソースを接続しない限り、内蔵LFOがVCFのデフォルト・モジュレーション・ソースとなります。

Runaway Brigade

BBD素子によるアナログディレイ
NEUTRONに搭載されたアナログのBBD素子は、25〜640msのディレイタイムを実現します。ディレイタイムを短く設定すれば、鮮明でパンチの効いたエコーが得られ、長く設定すれば、アナログ・ディレイの特徴である自然な高域の鳴りを体験することができます。また、リピートを最大に設定すると、長く続くオシレーター発振発音が得られ、ストリングスの様な効果を実現します。

Dual Envelope Generators

Dual Envelope Generators
2つのADSR(Attack, Decay, Sustain, Release)エンベロープジェネレーターを搭載したNEUTRONは、エンベロープ生成に関して、あらゆる要素をカバーすることができます。プロフェッショナルなミュージシャンが求める多様性と音色を実現します。

Controls & Connectivity

コントロール&コネクティビティ
NEUTRONには36個のノブと7個のスイッチがあり、そのすべてが直感的な操作で、音楽制作の楽しみを与えてくれます。モジュラーシンセマニアで機材を沢山お持ちの皆様へ、NEUTRONのオンボードパッチング・マトリクスは、32 In x 24 OutのTS 1/8″(3.5mm)接続を提供します。またUSB/MIDI DINによるMIDI入出力、メイン・オーディオ入出力、独立レベル・コントロールを備えたヘッドホン端子を装備しています。

主な仕様

デュアル3340アナログオシレーターを搭載したパラフォニックシンセサイザー極限までファットな音質を実現

3340VCO設計に基づく純アナログ信号経路により、クラシックなサウンドパフォーマンスを再現

パッチング不要のセミモジュラーアーキテクチャを採用。

オシレーターの波形制御は5つの形状(トーンモジュ、パルス、ノコギリ波、三角波、サイン波)2つのVCOをシームレスにブレンド

パルス幅/トーンモジュールを個別にコントロールし、究極のサウンドを実現

パラフォニックモードにより、両方のオシレーターを独立して制御可能

自己発振型マルチモードVCF、デュアル出力(LP+HPなど、ジャックで出力可能)

2つのアナログADSRジェネレーター

BBD(Bucket Brigade Delay)技術に基づく多段アナログディレイ

5つの波形シェイプ、MIDIクロックシンク、キーシンクを備えた柔軟なLFO

波形生成の幅を飛躍的に広げるノイズジェネレーターを搭載

豊かなアナログの暖かみとエッジを加えるオーバードライブ回路を搭載

36個のコントロールと7個のボタンにより、すべてのパラメーターにリアルタイムでダイレクトにアクセス可能

attenuators, multiples, slew rate, limiter 及び summersを含むユーティリティ機能により、クリエイティブなパッチングが可能

32イン/24アウトのマトリックスにより、驚くほど多くのパッチングオプションを提供

パワフルなヘッドフォン出力(専用レベルコントロール付き)

外部音源を処理するための外部音声入力

キーボードやMIDI機器に接続するためのUSB/Midiの実装

なぜベリンガーはたくさんのシンセを開発するのでしょう。

それはMusic Tribeの社長ULI ベリンガーさんの生き様と情熱が大きく関わっている様です。

A Passion for Keyboards
ULIベリンガーさん自作シンセ第1号UB-1

ULI ベリンガーさんは、スイスのバーデンと言う街で1961年に生まれました。お母さんはピアノ弾きで、ULIが4歳の時からピアノを教えていたそうです。実際ULIは素晴らしいキーボード奏者。モントルーのJAZZフェスティバルにも出演。NAMMではあのリーリトナーと演奏したりしています。タイム感グルーブ感バッチリです。

ULIのお父さんは電気エンジニアで、電子オルガンを山の様に作っていたそうです。で、若いULIに徹底的に電子技術を教えこみました。その後、ULIは音響技術の大学に進み、自分で彼の最初の自作の楽器であるシンセサイザーUB-1を開発したのです。

ULIの通っていた大学は当時高価すぎるスタジオ機材が十分に揃っていませんでした。それで彼はイコライザーやシグナルプロセッサーを自分で作って提供し始めました。彼の製品が安価で提供されるにも関わらずいかに優れているかはすぐに広まり、さらにULIは友人のために機材を作り始めました。そして、彼は自分で会社を作りベリンガーというブランドを立ち上げたのです。彼と彼のスタッフが数えきれないほどのシンセサイザーを復刻、安価に発売している理由はシンプルです。ULIは何十年も前から同じ事をずっと続けているのです。

MUSIC TRIBEはアナログシンセの部品をCOOLAUDIO https://www.coolaudio.com という傘下の会社で開発生産し、世界のシンセサイザーメーカーに販売しています。クローンシンセを作ることは、こうした部品をまたゼロから再創造するとことから始めないと実現できません。ベリンガーが沢山のクローンシンセを作れる理由はこのCOOLAUDIOにあります。

NEUTRON 主な入出力仕様、製品仕様

  • VCO :V3340×2 (0.7 Hz ~ 55 kHz 4 レンジ)
  • LFO :1 (0.01 Hz ~10 kHz)
  • VCF :1 (switchable low pass, band pass or high pass(12 dB/octave slope), dual output
  • 外部入力:標準フォーンジャック(2P) アンバランス 100kΩ
  • 出力:標準フォーンジャック(3P) バランス 最大12dBu
  • ヘッドホン:標準フォーンジャック(3P) バランス 8Ω
  • MIDI In/Out(soft Thru):5pin DIN 16CH
  • USB(MIDI) : USB2.0, type B
  • 対応OS:Windows XP以降、Mac OS X 10.6.8以降
  • 電源:DC12V(1,000mA)、
  • 電源アダプター(AC100V、50/60Hz)
  • 消費電力:9W
  • 寸法(W×H×D):424×94×136mm
  • 質量:3.0kg
  • 付属品:電源コード