歌う配信をするには、パソコンにマイクをつなげる必要があります。スマホで録音しても結構きれいに録音出来ますが、ボーカル用のマイクを使うことで、音質はグッとよくなります。
歌を録音するマイクはダイナミックマイクとコンデンサーマイクがあります。
ダイナミックマイク | コンデンサーマイク | |
プロ用の値段 | SHURE SM58で1万円 | Neumann U87Aiで40万円、 もちろん値段はピンキリです。 |
使えるマイクの 最低価格 | 2〜3000円からあります。 | 10,000円でソコソコのヤツが。 |
音を捕まえる振動板 の仕組み (ダイヤフラム) | 振動板が磁石に接続 | 振動板の後ろに極が逆の バックプレートに接続 |
耐久性 | 投げたり落としたり振り回して 使ってる人がいる | 大切に保管しないと壊れる。 乾燥剤で保存する。 |
電源 | 必要ない。 ミキサーにそのまま挿してOK | 外部供給電源である ファンタム電源が必要。 ミキサーや オーディオIFから+48Vもらう。 |
感度 | 周りの音を拾わない。 まっすぐ向き合ってくる音を拾う。 | 単一指向性でも周りの音を拾う。 |
特徴 | 周りの音を拾わないので 賑やかな環境のライブ向き | 周りの音を拾うので 静かな環境で録音できる レコーディングスタジオ向き |
買うとき見るべきスペック
周波数特性の数字は見なくていいと思いますが、グラフを見てください。そのマイクのクセがわかります。SN比も高いに越したことはないのですが、ノイズはケーブルや電源、ミキサー、他の楽器の集合体です。ここに細かくこだわる事もありません。
見て欲しいのは 感度(低ければ低いほど良い)、ダイナミックレンジ(大きければ大きいほど良い)、あと比べる時にマイクは必ずノイズを発生するので、そのマイク自身の雑音量を示す等価雑音レベル(小さければ小さいほどよい)。どの位の音圧入力があるとマイクが壊れるかを示すSPLと呼ばれる最大入力音圧レベルを見ましょう。自分にとって使いやすいか。どの楽器も音楽機器もそうですけど、大きく鳴って、ノイズが少なければあなたはその機材が絶対好きになります。
実際値段の差はあるのか
はい、あります。凄い高いマイクは「倍音」をしっかり拾います。特にコンデンサーマイクはここで差が出ると思います。人間の可聴帯域は20Hzから20KHz。ベリンガーの拾う範囲もここまで。またCDはこの帯域の音しか記録していません。あとはスパッと切っています。が、倍音は人間の鼓膜の可聴帯域を遥かに超えて存在します。高額なマイクはダイヤフラムと言う振動板が繊細にこの聞こえない倍音の空気振動にも合わせてくれます。でも、人間の鼓膜が捕まえられない音を拾っても仕方ないと思う人もいるでしょう。これを書いている自分もそうでした。
最近の学説では、この可聴帯域にない耳に聞こえない帯域に音の成分に音楽の「旨味」みたいなものが含まれていて、人間の肌を通して脳に伝達するそうです。世界最高級のミキサー「ルパートニーブ」は犬にしか聞こえないはずの50KHzの帯域で、いい特性を持つと言う変な仕様があるそうです。アナログレコードでDJするとなんかあったかい音がすると言うヒトも多いです。(もちろんフルアナログ録音じゃなきゃダメだけど)100年近い歴史を持つTANNOYの「Super Tweeter」と言うペアで60万円もする機材は、62KHzの音を中心に再生する機材です。
一方別の話。以前あるネット番組で、1万円のマイクと60万円のマイクは本当に違うの?と言うチャレンジな試みをした事があります。プロのボーカリストを使って配信ライブをして、音質比較をしてみました。ネットの番組ですからデジタルで送信。データを軽くするためにAACやMPEGのデコードで帯域をスパッと切リます。結果は値段ほどの大差はつきませんでした。皆さんがもしネット配信を検討しているなら、この点を考慮してくださいね。
価格が高額であれば良いもの?かもしれませんが、あなたにとって最適解かどうかわかりません。楽器は主役じゃないです。あなたが主役。そしてご自身が作りあげた作品や番組、配信の数字や評価が結果です。
Behringer B-1
B-1はお買い得な価格のコンデンサーマイクです。My First マイクロフォンとして買っている人は世界中にとても多いです。高額なマイクだと高域の収音(特に倍音)がとても素直なのですが、この価格帯だと少し弄った音になりがちです。特にコンプをかけた時に、プラスティックな音に聞こえノイズが誇張されます。また若干のハム音が存在するのは事実。シリアスなコンテストやオーディション用のボーカルマイクとしては不向きかもしれません。が、クラシックな見た目のスタイルなので、オーディオインタフェースに繋ぐだけでそのまま配信、またはZOOMセミナーの講師役で、ちょっとビジュアルをアトラクティブになんていう時、またはバンド仲間に新曲のデモ音源をアコギで作って歌って配る等の用途には、パーフェクトにフィットします。定番モノのダイナミックマイクの半分近い値段で、しかも感度と周波数特性のフラットさは圧倒的に良いのですから。
ベリンガーコンデンサーマイクB-1主な仕様
(C-1, C-3との仕様比較をしています。)
メーカーが公開していないもしくは検査していない項目もあります。発売開始してから歴史の長い製品は結構ユーザーからの投稿があったりするのでご自身で検索してみてご参考にされてもいいかもしれません。
モデル | ベリンガーB-1 コンデンサーマイク | ベリンガーC-1 コンデンサーマイク | ベリンガーC-3 コンデンサーマイク |
指向性 | 単一指向性 | 単一指向性 | 単一 OMIN 8の字 3種の指向性 |
ダイヤフラム | 16mmダイヤフラム | 16mmダイヤフラム | 16mmダイヤフラム x 2 |
インピーダンス | 50Ω | 100Ω | 100Ω |
感度 | -34 +/-2 dBV (0 dBV = 1 V/Pa) | -33 ± 2 dBV (0 dBV = 1 V / Pa) | -40dbV/pa(10mV/pa) |
最大SPL | 138dB(0dB) 148dB(-10dB) | 136dB | 142dB(0dB) 152dB(-10dB) |
ダイナミックレンジ | 119dB | ||
周波数特性 | 20Hz-20KHz | 40Hz-20KHz | 40Hz-18KHz |
S/N比 | 81dB | 75dB | |
LOW CUT FILTER | 6 dB/Octave at 75 Hz | 6 dB/Octave at 75 Hz | |
コネクター | 金メッキXLR | 金メッキXLR | 金メッキXLR |
重さ | 450g | 420g | 420g |
ショックマウント | 内蔵 | 内蔵 | 内蔵 |
スタンドアダプター | 付属 | 付属 | 付属 |
キャリングケース | 付属 | 付属 | 付属 |
供給電圧&電流 | +48V, 3mA | +36~+52V, 2.5mA | 48V 7.0mA |
ドイツ 世界最大楽器店レビュー | 258レビュー ☆4.5 /5 | 330レビュー ☆4.3 /5 | 145レビュー ☆4.3 /5 |