

TANNOYを退社したメンバーが設立したFYNE AUDIOや、ROLANDを退社したイタリア人が設立した電子ピアノブランドDEXIBELLなどなど音楽の機材の中にはグローバルブランドでの仕事を卒業し、その後自分たちの理想のサウンドを求めて独立。製品化にこぎつけ世界に進出しているブランドが多くあります。


南カリフォルニアでスピーカーを開発しているKALI AUDIOはJBLを卒業した皆様で構成されている2018年1月に設立された新進のスタジオモニターブランドです。最近のモニタースピーカーは2WAYが主流です。またスピーカーの材質も低域のウーファーのレスポンスを早くして、高域で早いスピードで出力される高域の波と極力同じレスポンスで音声出力し、一枚の「音の絵」を描くため、軽量で丈夫なカーボンや繊維の編み込みを使ったウーファーが主流です。
が、KALIはJBLで培った伝統を継承し、紙のコーン紙を使っています。コレって音の構成を帯域ごとに聞き分ける精密な音楽スタジオでの道具としてどうなの?と思ったりもしますが、そもそも生楽器はマーシャルのTUBEアンプも、ピアノも自然素材で出力されます。またアナログなお話しになりますが、日本のレコードカートリッジ工場では、古いDIANTONEのスピーカーやIN-5と同様のコーンに紙素材を使ったKALI AUDIOのLONE PINEシリーズLP-6を音決めに使っています。
低域を純に出力するにあたり、KALIの若いエンジニアチームの選択には「こだわり」があるのだと思います。お客様の選択と購入のオプションを広げます。
IN-5はKALI AUDIOの第2世代スピーカーです。その特徴は
- 同軸スピーカーを使って3WAYを構成していること
- トライアンプを使ってそれぞれのスピーカーユニットに個別に出力を与えていること
- DSPを変更しました。トライアンプの出力バランスを自動調整したり、置き方によってのEQを設定できます。
- コーン紙を軽くしたこと
- ノイズレベルを12dB減衰し、音の無入力時にミュートするのではなく、無音をフル10でも保つことです。
また点音源である事を意識しています。ポイントサウンドソースである事で設置が自由に出来て、どんなスピーカーポジションでも抜群の定位感を作ります。リスナー高域でスピーカーの位置を認識することになりますが、同軸のスピーカーが良い点音源を構成します。
またバスレフ。ポートチューブと呼ばれるものですが、精密な設計を行い、空気の吐き出しや引き込みによるノイズを極限にまで減らしました。前に吐き出し口があるので、低音の背面の壁面反射を気にする必要もありません。
IMMERSIVE AUDIOの制作に

KaliのINシリーズは、点音源なので、Dolby Atmosのようなミキシング・アプリケーションに理想的です。ミッドレンジとトゥイーターの同軸構造は音響的な点音源となり、3D音場での超リアルなイメージングを可能にします。
KALI AUDIO IN-5 製品仕様

IN-5テストデータ(英文)
電源:スイッチング電源
アンプクラス: D
DSP機能: EQチューニング, リミッター、クロスオーバー、パワーアンプ制御
パワーアンプ: トライアンプ 160W
低域アンプ出力: 80W
中域アンプ出力: 40W
高域アンプ出力: 40W
スピーカー材質:ウーファー 紙 ミッドレンジ 紙 ツイーター テキスタイルドーム
周波数特性 @-10dB 39Hz-25KHz @+-3dB 47Hz-21KHz
クロスオーバーポイント 280Hz, 2.8KHz
推奨リンスにニングポイント 0.5-3m
最大SPL 115dB
高波長歪み率 THD @85dB SPL 1m: 2% from 50Hz-220Hz 1% from 220Hz-6800Hz 0.5% above 6.8KHz
入力 (L+R) 1x RCA, 1x XLR, 1x TRS
入力感度: 97dB
バスレフ: フロントにポートチューブ
HDW: 382mm x 282mm x 206mm
重さ: 8.4Kg