歌の配信をするには、パソコンにマイクをつなげる必要があります。スマホで録音しても結構きれいに録音出来ますが、ボーカル用のマイクを使うことで、音質はグッとよくなります。
歌を録音するマイクはダイナミックマイクとコンデンサーマイクがあります。
ダイナミックマイク | コンデンサーマイク | |
プロ用の値段 | SHURE SM58で1万円 | Neumann U87Aiで40万円、 もちろん値段はピンキリです。 |
使えるマイクの 最低価格 | 2〜3000円からあります。 | 10,000円でソコソコ。 |
音を捕まえる振動板 の仕組み (ダイヤフラム) | 振動板が磁石に接続 | 振動板の後ろに極が逆の バックプレートに接続 |
耐久性 | 投げたり落としたり振り回して 使ってる人がいる | 大切に保管しないと壊れる。 乾燥剤で保存する。 |
電源 | 必要ない。 スピーカーにそのまま挿してOK | 外部供給電源である ファンタム電源が必要。 ミキサーや オーディオIFからもらう。 |
感度 | 周りの音を拾わない。 まっすぐ向き合ってくる音を拾う。 | 周りの音をなんでも拾う。 |
特徴 | 周りの音を拾わないので 賑やかな環境のライブ向き | 周りの音を拾ってしまうので 静かな環境で録音できる レコーディングスタジオ向き |
買うとき見るべきスペック
周波数特性の数字は見なくていいと思いますがグラフを見てください。そのマイクのクセがわかります。SN比も高いに越したことはないのですが、ノイズはケーブルや電源、ミキサー、他の楽器の集合体です。ここに細かくこだわる事もありません。
見て欲しいのは 感度(低ければ低いほど良い)、ダイナミックレンジ(大きければ大きいほど良い)、あと比べる時にマイクは必ずノイズを発生するので、そのマイク自身の雑音量を示す等価雑音レベル(小さければ小さいほどよい)。どの位の音圧入力があるとマイクが壊れるかを示すSPLと呼ばれる最大入力音圧レベルを見ましょう。様は自分にとって使いやすいか。どの楽器も音楽機器もそうですけど、大きく鳴って、ノイズが少なければあなたはその機材が絶対好きになります。
実際値段の差はあるのか
はい、あります。お高いマイクは「倍音」をしっかり拾います。特にコンデンサーマイクはここで差が出ると思います。人間の可聴帯域は20Hzから20KHz。CDはこの帯域の音しか記録していません。あとはスパッと切っています。が、倍音は人間の鼓膜の可聴帯域を遥かに超えて存在します。高額なマイクはダイヤフラムと言う振動板が繊細にこの聞こえない倍音の空気振動にも合わせてくれます。でも、人間の鼓膜が捕まえられない音を拾っても仕方ないと思う人もいるでしょう。これを書いている自分もそうでした。

最近の学説では、この可聴帯域にない耳に聞こえない帯域に音の成分に音楽の「旨味」みたいなものが含まれていて、人間の肌を通して脳に伝達するそうです。世界最高級のミキサー「ルパートニーブ」は犬にしか聞こえないはずの50KHzの帯域で、いい特性を持つと言う変な仕様があるそうです。アナログレコードでDJするとなんかあったかい音がすると言うヒトも多いです。(もちろんフルアナログ録音じゃなきゃダメだけど)100年近い歴史を持つTANNOYの「Super Tweeter」と言うペアで60万円もする機材は、62KHzの音を中心に再生する機材です。

一方別の話。以前あるネット番組で、1万円のマイクと60万円のマイクは本当に違うの?と言うチャレンジな試みをした事があります。プロのボーカリストを使って配信ライブをして、音質比較をしてみました。ネットの番組ですからデジタルで送信。データを軽くするためにAACやMPEGのデコードで帯域をスパッと切リます。結果は値段ほどの大差はつきませんでした。皆さんがもしネット配信を検討しているなら、この点を考慮してくださいね。
価格が高額であれば良いもの?かもしれませんが、あなたにとって最適解かどうかわかりません。楽器は主役じゃないです。あなたが主役。そしてご自身が作りあげた作品や番組、配信の数字や評価が結果です。
Behringer C1
お買い得な価格のコンデンサーマイクです。My First マイクロフォンとして買っている人はとても多いです。高額なマイクだと高域の収音(特に倍音)がとても素直なのですが、この価格帯だと少し弄った音になりがちです。特にコンプをかけた時に、プラスティックな音に聞こえノイズが誇張されます。また若干のハム音が存在するのは事実。シリアスなコンテストやオーディション用のボーカルマイクとしては不向きかもしれません。が、クラシックな見た目のスタイルなので、オーディオインタフェースに繋ぐだけでそのまま配信、またはZOOMセミナーの講師役で、ちょっとビジュアルをアトラクティブになんていう時、またはバンド仲間に新曲のデモ音源をアコギで作って歌って配る等の用途には、パーフェクトにフィットします。定番もののダイナミックマイクの半分近い値段で、しかも感度と周波数特性のフラットさは圧倒的に良いのですから。
Behringer C-2
単一指向性コンデンサーマイク2本入りのパックです。2本入りだからといって2本分の値段ではありません。お買い得と言われている普通のコンデンサーマイクの1本分のお値段です。C-1対比では+50%。もちろん1本+1本個別でも単一指向性コンデンサーマイクとして使えます。
スタンドにつけて天吊りすれば、カフェの三人編成のJAZZ トリオのライブ収音に十分使えます。またスタジオ録音でもピアノやドラムのオーバーヘッド録音に最適。ステレオ感バッチリです。
またフィールドレコーディングに最適。森の音、波の音、スポーツの音。お持ちのドローン映像と組み合わせれば臨場感ハンパない映像になります。いいトラックを映像と組み合わせるとガラッと雰囲気が変わる様に、いい映像の空間力溢れるネイチャーサウンドを加えれば魅力的なコンテンツになりますよ。
また設置方法次第で、指向性設定も自由に。2本組みだからできるユニークな録音手法が見つかるかも。1本を内蔵の切り替えスイッチで-10dBに設定しまたは1本をローカットで設定。帯域特性に合わせて1台のアコースティック楽器を2本で録音なんてことも出来ます。
Behringer C-3
C-1と見た目は変わりませんが、中身が違います。16mmダイヤフラムが2つ内蔵。3つの指向性を選べます。単一指向性、オムニ、8の字。これは便利です。4-5人のコーラス隊がマイクを取り囲んで1本で収録。両サイドにボーカルデュオを配置して距離のバランスをとりながら収音。なんてことが出来ます。
オムニ指向性にしてホールの天井に設置。オーケストラの全体空気感の収録をするという方法もよく使われる録音方法。非常に使い勝手の良いコンデンサーマイクです。もちろんC-1に対して感度も改善。
コンデンサーマイクC-1、C-2、C-3の主な仕様
メーカーが公開していないもしくは検査していない項目もあります。発売開始してから歴史の長い製品は結構ユーザーからの投稿があったりするのでご自身で検索してみてご参考にされてもいいかもしれません。
モデル | ベリンガーC-1 コンデンサーマイク | ベリンガーC-2 コンデンサーマイク | ベリンガーC-3 コンデンサーマイク |
指向性 | 単一指向性 16mmダイヤフラム | 単一指向性 16mmダイヤフラム 2本のセット | 単一、OMIN 、8の字 3種の指向性 16mmダイヤフラム x 2 |
インピーダンス | 100Ω | 75Ω | 100Ω |
感度 | -33 ± 2 dBV (0 dBV = 1 V / Pa) | -41dBV(0dbV=1V/Pa) | -40dbV/pa(10mV/pa) |
最大SPL | 136dB | 140dB(0dB) 150dB(-10dB) | 142dB(0dB) 152dB(-10dB) |
ダイナミックレンジ | 119dB | ||
周波数特性 | 40Hz-20KHz | 20Hz-20KHz | 40Hz-18KHz |
S/N比 | 75dB | ||
コネクター | 金メッキXLR | 金メッキXLR | 金メッキXLR |
重さ | 420g | 90g x2 | 420g |
ショックマウント | 内蔵 | 内蔵 | 内蔵 |
スタンドアダプター | 付属 | 付属 | 付属 |
キャリングケース | 付属 | 付属 | 付属 |
供給電圧&電流 | +36~+52V, 2.5mA | 48V 0.3mA | 48V 7.0mA |
ドイツ 世界最大楽器店レビュー | 330レビュー ☆4.3 /5 | 940レビュー ☆4.5 /5 | 145レビュー ☆4.3 /5 |